隠されてはいない

2025年8月から9月のあいだに、Netlify が無料枠の数え方を変えた。

この改定は隠されていない。料金ページの先頭に「New credit-based pricing. Current plans stay the same.」と出ているし、クレジットの単価も同じページに一覧で載っている。既存プランは据え置くとも書いてある。

書かれていないのは、前と比べてどうなのかという一点だけだ。

前と後

2025-08-122025-09-06
無料プラン名Free & StarterFree($0 forever)
無料枠の書き方100GB bandwidth / 300 build minutes300 credit limit / month
Free の次Pro $19 /member/月Personal $9 /月(新設)
Pro$19 /member/月$20 /seat/月

無料枠が具体的な単位から、クレジットという共通通貨に変わった。あいだに $9 のプランが1段挿さり、Pro は $1 上がっている。

単価で割ってみる

クレジットの単価は同じページに書いてある。

項目単価
帯域10 クレジット / GB
本番デプロイ15 クレジット / 回
コンピュート5 クレジット / GB
フォーム送信1 クレジット / 件

300クレジットを全部帯域に使うと、30GB になる。

旧無料枠は100GBだった。帯域だけで見て、上限が3割に下がっている。

しかもデプロイが同じ財布から引かれる。本番デプロイは1回15クレジットで、帯域1.5GB分に相当する。月20回デプロイすれば、それだけで300クレジットを使い切る。以前はデプロイ回数と帯域は別勘定だった。

共通通貨にすると、比較が消える

単位を1本化するのは、使う側にとって分かりやすい面もある。帯域が余ってデプロイが足りない、という無駄が減る。

かわりに、前後の比較ができなくなる。

「100GB と 300ビルド分」と「300クレジット」は、単位が違うので直接は並べられない。並べるには単価表を見て、自分の使い方を仮定して、割り算をする必要がある。その一手間があるだけで、ほとんどの人は比べない。

改定を告知し、単価を公開し、既存プランを据え置く。ここまでやっていても、減ったという事実は伝わらない。悪意の問題ではなく、単位が変わると比較の足場が消えるという構造の問題だ。

確認できていないこと

旧無料枠の「300 build minutes」をクレジットに換算できていない。単価表にビルド分の行がなく、「コンピュート 5クレジット/GB」がその代替なのかどうかは料金ページからは判断できなかった。したがって比較できたのは帯域の軸だけである。

ビルド時間を多く使う構成なら、結論は変わりうる。

改定日は2025年8月12日から9月6日のあいだ、約25日の幅までしか絞れていない。

単位が変わったら、割り算をする

価格が動いた改定は気づける。単位が動いた改定は気づけない。

クレジット制、ポイント制、ユニット制。名前は違っても、やっていることは同じで、以前の数字と比べられなくする。比べたければ、自分で単価表を開いて割るしかない。

幸い、この改定では単価表が公開されていた。それすら無い改定も、ある。

出典

数値はすべて Internet Archive に保存された Netlify 公式の料金ページから読み出した。プラン構成・無料枠の記述・クレジット単価を直接確認している。

公式が公開している料金と提供内容という事実のみを扱っている。利用者の投稿やレビューは使っていない。